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1995年1月17日未明に発生した、阪神淡路大震災の記憶はまだ新しいものがあります。
淡路島北部から神戸地区にまたがる活断層が、突然、動いたのです。
地下の岩盤から発生した地震波は、地上の街並みを襲い、高層ビルは壊れ、一般住宅も多数ガレキの山と化しました。
高速道路の高架も新幹線の高架橋も崩れ落ち、港湾の設備も使用不能となり、水道、ガスも止まってしまいました。
このすべてが、わずか10秒ほどの間に起こったことなのです。
地震動による直接の被害だけでなく、臨海部の砂質系地盤では液状化現象が起こり、山麗部では地滑りや崖崩れが生じて、それらによる被害も甚大でした。
被害額は9兆6000億円ぐらいと報じられています。そのうち建築物の被害は6兆3000億円となっています。
また、世界でも、トルコ大地震、台湾大地震と相次いで発生していますが、そのいずれもが、この活断層が引き起こした大災害なのです。
さらに、大地震の度に、被害にあった建物の構造的な問題点が数多く指摘されてきました。
住宅が人命を奪う凶器となったのか、また生命を守るシェルターとなったのか。
ケースは様々にありますが、建物の耐震性能を問う前に、まず、地盤の影響について知っておいていただきたいのです。
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地震による被害の大小 活断層だらけの日本では胸を張って「地震は起きません」と言い切れるところなどありません。
狭い国土に世界の火山の20%近くが集まっているわけですから、地震から完全に逃れることはできない相談といえるでしよう。
丈夫な構造の建物を…という例として、最近では、耐震構造、免震機材などを用いた建物も出てきています。
しかし、何といっても、良好な地盤の上に建てるのが災害から免れる最良の手段です。
不幸にも軟弱地盤をお持ちの場合は、杭を打設したり地盤改良工事を行ったりして人工的に良好な地盤を作り上げておくことが有効な手段といえます。
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知られざる地盤補強の効果 実際には、阪神淡路大震災の折りにも、震源地に近いところであったにもかかわらず、
杭(小□径鋼管杭、柱状改良etc)を打設したり、固化剤を使った表層地盤改良等の地盤補強工事を行った建物は、倒壊を免れ、人命を守り、
しかも被害は軽微であったとの実例が数多く報告されました。
また、交通量の多い地域で地盤補強をした建物は、車や電車の振動も建物に伝えることが少なく、快適な暮らしに貢献しています。
これも、地盤補強のあまり知られていない効果なのです。
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